第32回日本運動生理学会大会

ご挨拶GREETING

謹啓

 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。コロナウィルス感染症(Covid19)が猛威を振るい始めて4年ほど経ちました。分類見直しとともに感染蔓延前のような日常を取り戻しつつある中、依然として感染症への危機感は拭え切れません。皆さまにおかれましてはご苦労多き時節をお過ごしのことと存じます。また、今年元旦に発生した能登沖地震では、金沢市を含めた広い地域が被災し、石川県の重要な文化遺産や産業に壊滅的な打撃を与えました。これによって被災した皆さまにはお見舞い申し上げますとともに、一日でも早い日常生活の再建と地域の復興を祈るばかりです。こうした自然災害や衛生上の問題によって、日常から社会生活に至るまで様々なことが変化し、人々の心身の健康問題から社会経済への問題へと課題も浮き彫りにされました。運動生理学を専門とする本学会が果たす役割が益々大きくなるものと考えております。
 さて、この度、第32回日本運動生理学会大会を、令和6年(2024年)8月22日(木)~23日(金)の2日間で、金沢大学(金沢市角間町)にて開催することになりました。日本運動生理学会の目的は、運動・スポーツの生理学に関する専門的、学際的研究の発展を図るとともに会員相互の交流を求めることを趣旨としています。身体活動や運動・スポーツを大きな切り口とし、心身の健康増進、生活習慣病の予防、さらにはアスリートの競技力向上を図るためのメカニズムの解明やエビデンスに基づく最適な方法論の確立を目指しています。
 学会大会は、学会の目的・趣旨に志を立てる研究者や専門家が全国から集まり、最新の運動実践研究や臨床事例、基礎研究の成果の発表を通して、科学的視点から人間の運動・環境適応力の向上や健康寿命の延伸に貢献するとともに、会員相互の連絡および関連諸機関との協力を保つことを目的に開催されます。運動やスポーツを冠した生命科学研究を後押しする本学会は国内唯一であり、大きな社会的意義を持つとともに、本大会に対する参加者の期待も非常に大きいものと確信しております。こうした本学会の趣旨と昨今の社会情勢や健康問題に鑑み、今大会は『未来社会へ向けた運動生理学の先鋭と融合』のテーマを掲げ、超スマート社会(Society 5.0)とポストコロナ感染症の変わりゆく社会と生活様式における人々の健康やアスリートの問題について、探求する多様な視点からの先進的研究や融合研究を奨励しながら、発表し討論できる場とすることを目指します。学会ではシンポジウムに加えて、特別講演、教育講演を併せて企画し、若手研究者や学生の参加を奨励し、協賛企業を含む様々な参加者皆さまにとりまして交流深い学術大会にしたいと考えております。以上の趣意をお汲み取りいただき、本大会への格別のご参加を賜りますようお願い申し上げます。

謹白
2024年4月
第32回日本運動生理学会大会
大会長 増田 和実(金沢大学 教授)